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第三章 エロゲームブックを読んでみよう その2

 

たけたろう「次の作品の紹介をいたします。双葉文庫セクシーゲームブックシリーズ第3弾“魔性戦線”です。これも著者情報なし。企画・製作社は流線形オフィスという、なんだかよくわからない名前の会社名が載っています。文庫本でパラグラフ数は250」

山口プリン「双葉文庫というのがめずらしいですな。あそこはファミコン冒険ゲームブックシリーズを始め、どちらかというと小学性向けゲームブックを出しているイメージですから」

たけたろう「内容はハードボイルドですよ。犯罪組織に追われるチャムという美少女を守る私立探偵が主人公です。ゲームのルールは能力値が一つと、バトルポイント表、アイテムのチェックをする必要があります」

山口プリン「意外にも普通の双葉ゲームブックと同じだね。実際にプレイした感じでは、難易度は低めだったかな」

たけたろう「しかし、この本の特徴はなんといっても、表紙カバー、本文イラストともに写真を使用しているということでしょう。ページを開けば南の島を舞台に水着や下着のお姉さんたちの写真だらけです」

山口プリン「それだよそれ。ゲームのストーリーはどうということはないが、イチイチ場面にあわせた実写画面が見ることができるのはすごいよ」

たけたろう「お、これは気に入りましたか?」

山口プリン「いや、なんだかものすごく胡散臭い雰囲気が漂っているよね。主人公の私立探偵も、白ずくめのスーツにサングラスだし。悶えているお姉さんの写真にOhhhhh!とか時々文字が書き込んであるのが、いやはやなんとも笑える」

たけたろう「それは誉めているのですか?」

山口プリン「誉めてますよ。乳房を触るか?いきなり股間に手をのばすか?みたいな見も蓋も無い選択肢。クライマックスでは、どうみても水着にトゲトゲをつけただけのパワードスーツに身を固めた敵の登場など、笑いのツボを抑えています」

たけたろう「なんだか、エロゲームブックの審査という主旨とははずれてきていますが」

山口プリン「真面目に答えると、犯罪組織と戦うハードボイルドという設定が、実写だとどうしてもギャグになっちゃうんだと思います。この作品なら、普通の美少女イラストで描いたほうが合っていたかもしれない」

たけたろう「実写とゲームブックは合わないということですか」

山口プリン「そうとは言っていません。実写という企画自体はとてもいいと思いますよ。ただストーリーとのギャップに笑えるだけで。ハードボイルドとかSFとかでなく、ストーリーの設定しだいでは素晴らしいエロ作品ができるかもしれませんよ」

たけたろう「ほほう、例えば」

山口プリン「学校帰りの女子高生を襲うショートストーリーとか、拉致監禁ものとか」

たけたろう「わっ!やめてくださいってば!あんまり危ないことを書いていると、サーバー元に削除されちゃいますよ」

山口プリン「いやぁ、すいません。でもね、なんだかんだ言ってこのゲームブックは結構気に入りましたよ。愛すべきB級作品といったところですか」

たけたろう「ただ肝心のエッチ描写は写真同様に軽い印象で、そけほどエロくは思えない気もしますね」

山口プリン「そういえば、この本には成人向けの表示がなかったなぁ」

たけたろう「もしかして、18禁作品じゃなかったりして」

山口プリン「だとすると、ファミコン冒険ゲームブックシリーズを卒業した中・高生を購買層に狙ったのかも。それなら十分な刺激かもしれません」

 

続く